フランス料理なのに、「さっぱり」した味付けで、だけど、「しっかり」した味わい。

 

「さっぱり」としているのに、「しっかり」味わえる秘密は。

一番重要なのは、素材の性質や特徴を充分に理解してあげる事です。

フレンチだからと言って、バターや生クリームで調理することを望まない食材達もたくさんいるんです。

ただ、塩茹でする作業ひとつとっても、その食材に適した塩の量があります。茹でる時間があります。

茹であがった後の冷まし方があります。

個性がそれぞれ違うように色々な方法が存在します。

当然、季節によっても変わってきますし、天気によっても変わってくるんです。

フランス料理なのに、「さっぱり」した味付けで、だけど、「しっかり」した味わい。

季節ごとに、旬の食材をご提供しております。

 ”どう扱ってあげたら君は美味しくなるの?”

”どうしたら君の良さを200%発揮できるの?”

と絶えず素材との対話をし続けることで、一番適切な方法を食材たちが教えてくれるんです。

私がまだまだ若いころ師匠である料理長の口癖が「常に、素材と対話しろ!」でした。

ことあるごとに「素材と対話したのか!」「ちゃんと聞いたのか!」

その頃の私は正直まったく理解できませんでした。「素材と対話???」出来る訳ないじゃん!

でも不思議なことに徐々に徐々に、師匠の言っていた意味がわかりはじめてきました。

残念ながら、皆さんに具体的に説明することは出来ません。

気が付けば、自分も全く同じことを言うシェフになっていました。

でも、いまでは聞こえるんです。素材たちの声が「ちゃんと美味しくしてね」と。

そして、それらを理解したうえで適切に処理出来る技術も必要となってきます。

たとえば、一般的なフレンチで一皿の料理に使うバターや生クリームの量が仮に「10」だとしましょう。

そこから素材との対話の結果そんなに使わなくても、しっかりとした味を引きだす方法を教えてくれるんです。

あとは、自身の技術とのコラボで「4~5」に抑えながらも「10」以上の味と香りを引きだす事が可能になってきます。

私もバターも生クリームも少量ですが、もちろん使います。

でも私が使いたい量ではなく、素材たちが求める量を使ってあげることが大切な事なんです。